パルミジャーノ・レッジャーノ
イタリアチーズの王。それが、パルミジャーノ・レッジャーノ。牛乳からつくられるハードタイプのチーズです。
このチーズは製造工程や品質に厳しい審査があり、パルミジャーノ・レッジャーノ協会の検査に合格したもののみ、パルミジャーノ・レッジャーノを名乗ることが出来ます。
原料となるミルクはホルスタイン種のものが中心ですが、とくに決まりはありません。
ただし、飼料には穀類だけでは認められず、草類を50%以上与えることが義務付けられています。
この牛のミルクからパルミジャーノ・レッジャーノはつくられます。
発酵させてから12ヶ月経過すると完成します。その間に何度か協会の検査があり、12ヶ月の時点で検査に合格すると、パルミジャーノ・レッジャーノの烙印が押されます。ここで初めて、パルミジャーノ・レッジャーノと名乗ることが出来ます。
パルミジャーノ・レッジャーノのかたまりを買うと、皮面に何か書かれていますね。これが、度重なる検査を合格した際に押された印のひとつです。
12ヶ月経過したら市場に出回りますが、たいては製造者かバイヤーがもっと寝かせ、18ヶ月、24ヶ月、30ヶ月、36ヶ月、48ヶ月、と熟成させます。
熟成期間の長いものほど、深い味わいに仕上がります。ただし、当然、熟成期間の長いものほど入手難で高額になります。
僕は24ヶ月・30ヶ月・36ヶ月ものをメインに使っています。
さて、食べ方ですが、手で砕いたり、包丁で切ってそのまま食べると、上質の一皿になります。
写真でも分かりますが、白い点はうまみの結晶。シャリっとした歯ざわりと凝縮されたうまみを楽しむなら、こうやって食べるのが一番。
ピーラーで薄く削って、料理に添えると、きれいな飾りにもなります。もちろん、食べればとてもおいしい。
また、皮は固くてクセがありますが、クリームシチューなどに溶かし込むと、おいしく食べられます。
パスタでは、おろして仕上げにパスタと絡めたり、ソースに溶かしたりして使います。
パルミジャーノ・レッジャーノを使ったパスタと、そうでないものでは、仕上がりの次元が違うほど差が出ます。
おいしいパスタをつくろうと思ったら、絶対に欠かせない材料です。
僕が紹介するレシピでも頻繁に登場します。
◇保存方法
ナチュラルチーズですので、冷蔵保存します。
注意点は、
・使うたびにラップを取り替えること。
・冷凍は厳禁。冷凍したら、風味は消えます。
尚、パスタには必ずおろし立てを使うこと。
おろす際、できれば常温に戻してからおろすと、風味が一段と引き立ちます。
◇粉チーズ
パルメザンチーズという名称で出回っている粉チーズ(緑缶)を筆頭に、いろんな粉チーズがあります。
パルメザンは、パルミジャーノの英語読みですが、イタリアでは法的に、この名称を使用できないはずです。
食べ比べるまでも無く、全く別モノのチーズですが、ほとんどの家庭に常備されています。
パルミジャーノ・レッジャーノの代わりに粉チーズを使うということは、
日本料理で鰹節・昆布の代わりに、粉末の合成だしを使うことと同じです。
イタリア料理をつくろうと思ったら、かたまりを買ってその場で削るしかありません。
それ以外のものでは、絶対においしいものはつくれません。
パルミジャーノ・レッジャーノの長期熟成ものや、いろんなチーズはここで買ってます。
(注)この記事は、2005年10月30日に書き換えました。
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コメント
初めまして。確かにチーズは高いですね(笑)関税品ですので、送料と税金なんですがね。僕はもっぱら、NETのサイトで、お取り寄せしてます。上手く、安売りや送料無料の機会を利用してます。
2年物より・3、4年物の方が一段と濃厚ですよね。パスタも大好きなんで、またお伺いしますね。
ランキングも一押ししていきます。ポチとね。
投稿: tetutell | 2005/06/30 19:05
>tetutellさん
すみません、折角コメントいただいたのに、ココログからメールが送られなかったようで、気付きませんでした。
僕は、24ヶ月ものは、業務用ルートでキロ単位で買っています。
36・48・60ヶ月ものは、輸入食料品店か通販ですね。
投稿: パスタレシピ研究会 | 2005/10/30 00:49
私は、パルミジャーノ レッジャーノを
調べているのですが、私が調べた資料には、イタリアなどの地域で作ったものしかパルミジャーノ レッジャーノと呼ばないと書いてあったんですが、それはなぜなんでしょう?
投稿: 孫悟空 | 2006/03/06 19:17
>孫悟空さん
こんにちは。
パルミジャーノ・レッジャーノですが、本文に書きました通り、パルミジャーノ・レッジャーノ協会が認めたものしか、パルミジャーノ・レッジャーノを名乗ることは出来ません。
これは、文化、伝統、ブランドを守るためだと思います。
日本でも、大間のマグロ、関アジ・関サバ、松坂牛、コシヒカリ、etcいろいろありますね。
ただ、日本ではまがい物が横行しますが、イタリアは厳格に守っているということです。
チーズ以外にも、その他、イタリアではプロシュート(パルマの生ハム)、スペインではハモン・イベリコ(イベリコ豚の生ハム)、ワイン、オリーブオイル、いろいろあると思います。
投稿: パスタレシピ研究会 | 2006/03/06 22:39
こんにちは。6月に二週間北イタリアに滞在してきました。小さな町ですが、マッジョレー湖畔の静かなところです。帰国前日の朝市で、その町に毎週来ていて美味しくて安いと評判のチーズ屋で、パルミジャーノ レッジャーノを購入しようと思いました。すると、そこの主人がパルミジャーノとレッジャーノ、どちらがいい?と聞くではありませんか。そして、ひとかけらずつ差し出して、味見をさせてくれました。私はパルミジャーノレッジャーノという一つのチーズの名前かと思っていたのでびっくりしましたが、差し出されるままに、まず、レッジャーノ。そしてパルミジャーノ。レッジャーノはシャリっとかじったとたんに赤ワインを飲みたくなったので、レッジャーノを購入しました。
帰国後、調べてもこの二つの区別がどうしてもつかず、このブログにたどり着きました。あまりチーズに詳しいわけではありませんが、後学のために教えて頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。
投稿: みのりーた | 2007/06/26 16:09
>みのりーたさん
はじめまして。
ご質問の件ですが、あくまで憶測ですが、産地を聞かれたのかもしれませんね。
パルマ産のパルミジャーノ・レッジャーノと、レッジョ・エミリア産のパルミジャーノ・レッジャーノ、どちらがいい?と。
もし判明したら、後学のため、教えていただければ幸いです。
宜しくお願いします。
投稿: パスタレシピ研究会 | 2007/06/27 23:13
おおう。ありがとうございます。そうですか。なるほど。現地の知り合いにちょっと聞いておきます。フレッシュでまだまだしっとりしているところが良いです。ぱさぱさしてなくて。これは好みでしょうけど。半額になっていたボージョレと合わせて飲んだり、日本酒は純米などと一緒にシャリシャリ食べて楽しんでいます。
ちなみに、私のブログもありますので、会のみなさんで見てみてください。
http://nikominori.jugem.jp/
イタリアボケ旅行記の羅列ですが、本来は二胡奏者でございます。
投稿: みのりーた | 2007/06/29 12:41